あいかわらずの寒さながら、このところ少しずつ日がながくなってきました。暦の上では、雨水(うすい)の頃で、雨水からはもう春。「雪は雨に変わり、氷も融けて水になる。春の気配に草木の芽が出始めるという意味で、雪国の雪はいまだ深く、太平洋側には雪が降る場所もある頃。しかし春一番が吹き、各地でウメの香りもし始める頃で、農耕の準備を始めるめやすとなる日」とも書かれています。
陽気が多くなり始める時期。内蔵では肝がよく働き、外では陽気が徐々に多くなります。その陽気を受けて、およそ60日間は、少陽経(少陽経脈)が動きはじめます(気が盛んになります)が、まだ活発ではありません。(陰陽類論を参考)
春の養生法
春の3ヶ月を発陳(はっちん)と言う。冬の間、かくれていたすべてのものが芽を出し、活動的になり始める時期。陽気の多くなる時期。人体も陽気が多くなる時期。日の入りとともに寝て、日の出とともに起き、心身ともにのびのびと、活動的なきもち、あるいは活動するのがよい時期。これが陽気に応じる方法(この春の気に逆らって静かに沈んだ状態にならないようにする。『四気調神大論』:四気(季)に心身(神)を調和させる方法を参考)。体の状態にあった適度な運動をして、陽気を発動すると、なおる症状もあると考えられています。
1年間の季節の移りかわりにより、外界の陽気の多少に変化が生じます。その陽気の変化を身体外側にある経脈が受けて、季節に応じて変化して健康を保ちます。病気になってから治療をするのではなく、「いまだ病まざるを治す」と言って、養生法を守り、まず病気にならないように努力するとよい、という考えがあります(予防医学)。保湿、栄養、睡眠をとり、治療をし、疲労のうちに回復を、過労にならないように。
令和3年2月21日(日)の函館支部定例講習会は、首都圏などの緊急事態宣言の発令、新型コロナウイルス禍の状況などにより、会員がそろわないため、延期することになりました。来月の支部定例講習会は、令和3年3月21日(日)を予定しております。