令和7年11月の支部定例講習会がおこなわれました。

11月 霜月(しもつき)
木の葉があざやかに色づき、その美しさを自然の中に感じたり、さわやかな秋晴れの日には、とても気持ちよく過ごすことができたりしますが、7日の立冬(暦の上では、この日から立春の前日までが冬)の頃から、冬の訪れを感じるようになっていきます。月の半ばには、朝晩の冷えこみが増し、草木につゆしもが降りはじめ、初霜、初氷、初雪のたよりが届くようになりますが、ぽかぽか陽気が感じられる『小春日和』の日もあります。
もともと旧暦の11月は、収穫の実りを神に感謝する月でしたが、収穫だけでなく、親が子どもが元気に育つように、子どもの成長・長寿の願いを祈り、神様に感謝するようになったのが、15日の『七五三しちごさん』のはじまりと考えられています。
先人には「秋から冬にかけての時期は陽気はなく、陰気がさかんになる時期で、冬は万物、陽気が静かに体内に沈み、深く貯蔵されているから消極的になるときで、すべてが収納され貯蓄されておく時期。心身ともに静かにしているのがいい。決して発散させてはならない。早く寝て遅く起きる。冬に無理(活動し過ぎて陽を動かす)をすると、春になっても陽気が発動しなくなり、身体全体が冷えてしまうようになる。春夏秋冬の四気(季)の自然の状態に調和した生活をするのがよい」などと言う教えもあります。

令和7年11月16日(日)に函館支部の定例講習会がおこなわれました。肌寒い日でしたが、明るい元気な挨拶を交わし、講習会がはじめられました。
午前中は、宍戸 尚 先生の臨床発表『腰痛』がありました。意見や質問が多数あり、活発な充実した時間を過ごしました。
午後からは、いつものように実技指導の『基本刺鍼』と『小里方式』をおこない、手技術の修練に励むことができました。
この次の函館支部の定例講習会は、令和7年12月21日(日)におこないます。

午前中の報告、症例発表、意見を述べているようす

検脉しながらの実技指導のようす

令和7年9月の支部定例講習会がおこなわれました。

9月 長月(ながつき)
秋は、実りを収穫するたいせつな季節、夏から秋へ移りかわっていく初秋は、天気がぐずつき、雨になる日もありますが、白露はくろの8日から、しだいに気温がさがり、草木・草花に露(つゆ)が凝って、白く見えはじめるあたりもあります。少しずつ秋が深まりつつあり、大気が冷え込むようになっていきますが、さわやかな秋晴れの好天になる日が続くようにもなります。この時期は、早く寝て、大気自然から原気を吸収し、冬にそなえる頃。「陽気が少なくなるので、陽気を発散しすぎず、発汗しすぎず、あれもこれもやりたいなどと、イライラして活動しすぎないように」という教えもあります。少しずつ気温が下がってきますが、適当な寒気(気温の低下)は、身体を涼しくし、皮膚をひきしめます。季節や1日のうちにも、自然界の『気の働き』の状態ははかわりますので、うまく自然界の気に適応して、生活するとよいでしょう。

令和7年9月21日(日)に函館支部の定例講習会がおこなわれました。さわやかな晴れの日でしたが、お互いに元気に明るい挨拶を交わし、講習会がはじまりました。
午前中は、阿部 孝先生の講義『実技解説・補瀉論』がおこなわれました。今回が3回目となる『実技解説・補瀉論』の講義には、たくさんの意見、質問がありました。まとめとしては、活発な、とても充実した講習になりました。
午後からは、いつものように『基本刺鍼』と『小里方式』の実技指導がおこなわれ、技術の修錬に励むことができました。
10月の函館支部の定例講習会は、お休みすることになりましたので、このつぎは、令和7年11月16日(日)におこないます。

詳しい優しい講義、講習中のようす

検脉をしながらの実技指導のようす

令和7年7月の支部定例講習会がおこなわれました。

7月 文月(ふみづき、ふづき)
2日の半夏生は、半夏はんげという薬草が生え、梅雨つゆが明ける頃、7日の小暑しょうしょは本格的な夏の暑さを感じる頃で、この日から大暑たいしょ(23日)までの1ヶ月が「暑中しょちゅう」になりますので、暑中見舞いが出されるようになります。20日の夏の土用は、夏の盛りの18日間の称で、特に立秋りっしゅうの前の夏の土用のことを言います。
先人は、自然界の温度や湿度、気圧に関係する状態を「気の動き」と考え、季節や1日のうちで、この気の状態の過度の変化に気をつけ、この自然界の気にうまく適応して生活することを『養生法』と言いました。それは、自然界の状態に調和して生きることが基本になります。人体の働きのすべてを「気の働き」と考え、消化力、排泄力、体温調整などすべてが含まれます。人間は、自然の気の働きを受けて生活しているのだが、季節の働きにあわせた生活を守ることがたいせつで、その働きのうち、動的なものを陽気、静的なものを陰気と表現します。この自然の気の働きを人体も受けるから、身体にも陰陽の働きがある。自然界に陰と陽の時季が平等にあるように、身体の陰陽の気もバランスを保っています。その陰陽の気の割合は、季節にあわせて多くなったり少なくなったりします。この一定のバランスが崩れたとき、その動的(陽気)なものと、静的(陰気)なものとのアンバランスを、気が病む(病気)と考えました。
夏は、陽気が最高潮に達する時期で、しょの働きがあり、しんが働きますので、よい水をとりながら、体を適度に動かして発汗し、陽気、熱を発散すると涼しくなります。

令和7年7月20日(日)函館支部の定例講習会がおこなわれました。夏らしい暑さを感じる曇りの日でしたが、いつものように元気に挨拶を交わし、講習会がはじまりました。
午前中は、阿部 孝先生の講義『実技解説・補瀉論』がおこなわれました。補法と瀉法の具体的な手法を、ていねいにお話しされました。意見、質問がたくさん出て、活気のある講習となりました。
午後からは、『基本刺鍼』と『小里方式』の実技の指導を、くわしい説明をしながらおこない、技術修錬することができました。このたびも、とても充実した講習会をおこなうことができました。
8月の函館支部の定例講習会は、お休みすることになりましたので、このつぎは、令和7年9月21日(日)におこないます。

講義、講習中のようす

検脉しながら、実技、指導中のようす

令和7年6月の支部定例講習会がおこなわれました。

6月 水無月
5日の芒種ぼうしゅの頃は、のぎのある穀物の種まきや、穀物の刈り入れ、田植えの時期という意味をもっていました。入梅にゅうばいのあるあたりは、梅雨つゆに備え、準備をはじめる目安として『入梅』の文字が、暦、カレンダーに記されるようになっていったと教えられています。梅は、漢方薬などとしても用いられましたが、『梅雨』は「梅の実が色づいて熟し、収穫される時季と重なる頃、神さまが降らせる雨」ということからついた名称だと言われています。高温多湿になるあたりもありますので、過度な気象の変化には気をつけましょう。夏の真っ盛りの意の夏至げしもあり、暑さが日に日に増していく頃なので、この時季は、体の病を感じたら早めに治し、心晴らしなどをしながら過ごすとよいでしょう。

令和7年6月15日(日)に函館支部の定例講習会がおこなわれました。この日は、さわやかな初夏を感じる日でした。
いつものように、明るい挨拶を交わし、講習会がはじめられました。午前中の講義は、阿部 孝 先生の『実技解説・補瀉論』の発表があり、質問や意見交換などがディスカッション形式でおこなわれ、活気のある講習となりました。このたびの発表で、講義のすべてが終わらず、来月に続きをおこなうことになりました。
午後からは『基本刺鍼』と『小里方式』の実技指導をおこない、和気藹藹と技術修錬にはげみました。
この次の函館支部の定例講習会は、令和7年7月20日(日)におこないます。

良い雰囲気の中で、くわしい講義、講習のようす

検脉をしながらの、実技指導のようす

令和7年4月の支部定例講習会がおこなわれました。

4月 卯月
清く、明るい空気に満ちるという清明の頃を過ぎると、日に日に春らしい陽光、陽気が増し、次に少し遅れて暖まりはじめ、気温が上昇していく、気温の春を感じるようになります。春を告げる花の開花が伝えられ、つばめなどの初見、うぐいすなどの鳴き声が聞こえてくることもあります。桜のお花見の頃に、薄曇りのはっきりしない「花曇り」または、寒気がはいってきて、曇りや雨で気温が上がらない「花冷え」になる日もあり、春のかわりやすい季節を感じる日もあります。20日の穀雨の頃には、穀物の芽を出させる雨が降る日もあります。春気に応じるには、心身ともにのびのびと、活動的なきもち、あるいは活動するのが良いでしょう。「陰陽の気は、上下と内外において交流し、その働きが、自然の状態とあい身体を巡っていると、平均して健康を保つ」ということも教えられています。

令和7年4月20日(日)に函館支部の定例講習会がおこなわれました。春の花の開花が伝えられる頃でありますが、この日は、曇り空の肌寒さを感じる日でした。
お互いに明るい挨拶を交わし、講習会がはじめられました。午前中の講義は、宍戸 尚 先生の『膝関節症』の発表がありました。ご質問、ご意見が多くあり、膝疾患に関係する経絡治療の詳しいお話しが、さらにできたと思います。
午後からは、いつものように『基本刺鍼』と『小里方式』の実技指導をおこない、良い雰囲気の中で技術修錬をすることができました。
来月の函館支部の定例講習会は、お休みすることになり、再来月の、令和7年6月15日(日)におこないます。

よい雰囲気の中で、詳しい講義、講習のようす

実技指導と技術修錬、検脉のようす

令和7年3月の支部定例講習会はおこなわれませんでした。

3月 弥生
春は、しだいに寒さがゆるみ、陽光と恵みの雨を得て、草木が満ちてくる季節。日ごとに昼間が長くなり、光の強さが増して日差しが明るくなり、次に、少し遅れて暖まりはじめます。この頃には、春を告げる花の開花などが、あちらこちらから伝えられるようになります。春は、冬の間かくれていたすべてのものが芽を出し、活動的になりはじめる時期。自然の陽気が多くなり、人体も陽気が多くなります。心身ともに伸び伸びと、活動的なきもち、あるいは活動するのが良い時期で、春気に応じることになります。人間は、自然の気を受けて生活していますが、季節の働きにあわせた生活を守ることがたいせつで、自然界に陰と陽の時期が平等にあるように、身体の陰陽の気もバランスを保っています。自然の状態に調和して生きることが養生の基本になります。陰陽の気は、上下と内外において交流し、その働きが平均して健康を保ちます。「陰陽の気が、自然の状態と合致して、身体をめぐっていると健康だ」とも教えられています。

令和7年3月16日(日)の函館支部の定例講習会は、会員の介護の事情によりおこなれませんでした。 
この次の函館支部の定例講習会は、令和7年4月20日(日)におこないます。

令和7年1月の支部定例講習会がおこなわれました。

1月 睦月むつき 
元日 年明けを迎えると、お祝いの言葉と、初詣はつもうでのようすがつぎつぎと伝えられてきます。1年の出発点として、家長は家族の幸せなどを願って、初詣「年ごもりがもと」をしていたといわれています。年賀などでのお祝いのご挨拶、2日の初夢、季節にもとづいた過ごしかたが教えられていきます。5日頃の「かんのいり」「寒中かんちゅう」は、小寒から節分までのおよそ1ヶ月を「寒」または「寒の内」といいます。寒さが厳しくなり、雪の日が続くことがあります。7日の朝には「七草粥」を食べ、貴重な栄養源の補給をし、1年の「無病息災」を願い、弱った胃腸を休めたとも言われています。11日の鏡開きの日には、やはり「無病息災」を願い、鏡餅を食べたと言われています。15日の小正月には、米と小豆で作った小豆粥を食べ、体の邪を払う習慣をしているあたりもあります。
ご多用、異常気象などで季節感を忘れてしまいがちな現代人に、昔のこよみなどは、私達に心の余裕や、充実感をもたらせ、旬の味覚なども教えてくれることがあります。そのことにより、旬の物を食べて元気になり、五感を開くことのきっかけとなるかもしれません。立ち止まってみたい日などに暦を見てみると、自分の中に心のゆとりが生まれ、気分転換になることもあります。そのための参考書にするのも良いでしょう。

令和7年1月19日(日)函館支部の定例講習会がおこなわれました。この日は積雪のある寒い日でしたが、いつものようにお互いに明るい挨拶を交わし、講習会がはじまりました。このたびの講義は、阿部孝先生の『わかりやすい経絡治療総集編・証決定』でした。いつものようにたくさんの質問・意見があり、活気のある講習となりました。午後からは『基本刺鍼』と『小里方式』をおこないました。それぞれが、技術の向上に励み、和気藹藹わきあいあいの雰囲気の中、とても充実した講習となりました。
この次の函館支部の定例講習会は、令和7年3月16日(日)におこないます。

詳しい内容の講義、講習のようす

実技指導後の検脉のようす

令和6年12月の支部定例講習会がおこなわれました。

師走(陰暦) 12月 冬は夜が長くなり、しだいに寒さに閉ざされてゆくなか、冬のはじめにはおもいがけなくぽかぽか陽気(小春日和)になることがありますが 「寒さがしだいに厳しく感じられるようになり、寒気が南下し気温が下がると、雲の中のしぐれが雪にかわり、融けずに降ってくる」 と言われています。気温が冷え込み空気が乾燥する冬は、気温や湿度、気圧などの気象状況が、短時間のうちに過度に変動するのにともなって、冬に発症しやすい気象病のように、体が冷え、血液の循環が悪くなるのが原因で、病(神経痛、リウマチの人は)の痛みが発症しやすいので、寒さなどへの対策も必要になってきます。日々の気象状況の変動には注意をしながら、体の不調は治療し過ごしましょう。

令和6年12月15日(日)に函館支部の定例講習会がおこなわれました。この日は、凍てつく寒さを感じる、積雪のある日でしたが、お互いに明るい元気な挨拶を交わし、講習会がはじまりました。午前中の講義は、宍戸 尚先生の『経絡治療学原論 上巻』「第二章 気血営衛」の解説でした。質問や意見などが多くあり、活気のある講習になりました。とても勉強になったとおもいます。
午後からは、実技指導をおこないました。『基本刺鍼』にはじまり 『小里方式』の指導をし、それぞれが手技の向上に努めました。午前中の講義にあった 『気』と『穴』の内容を意識しながら、実技指導にとりいれました。とても充実していたとおもいます。
本年も、ご支援いただきましてありがとうございました。来年(来月)の定例講習会は、令和7年1月19日(日)におこないます。

講義、講習などの勉強中のようす

今年は、国際指導者研修会に出席することができました。ご指導をされ、学術指導などについて話しをしながら頑張りました。ありがとうございました。来年も健康に過ごすことができ、よい年になりますように、よろしくお願い申し上げます。

令和6年11月の支部定例講習会がおこなわれました。

霜月(陰暦) 11月 立冬(7日頃)から立春の前日までが暦のうえでは冬になり、実感はしずらいとはおもいますが、日の光は弱まり、日脚も目立って短くなります。寒気の南下により気温は下がっていきます。「初霜」「初氷」「初雪」の便りが増えていきますが、思いがけなくぽかぽか陽気になることがあり、「小春日和」「冬日和」ともよばれます。
古典の冬の養生法には「冬の3ヶ月を閉蔵へいぞうと言う。万物が静かに沈み消極的になる時である。すべてが収納され、貯蔵されておく時期で、早く寝て遅く起きてもよく、運動などで発汗するなど、心身共に活動的になってはいけない。静かにしているのがいい」という教えもあります。
身体の不調を感じたら、陰陽の気などのバランスを調整する経絡治療をするとよいでしょう。

令和6年11月17日(日)に、函館支部の定例講習会がおこなわれました。この日は、肌寒さを感じる、初冬らしい日でした。お互いに優しい挨拶をかわし、講習会がはじまりました。午前中の講義は、宍戸 尚先生の症例発表『コロナ感染後の患者への経絡治療』でした。症例2題で、質問やご意見が多数あり、活気にあふれた講習になり、とても勉強になりました。午後からは、いつものとおり『基本刺鍼』『小里方式』をおこない、個々の技術向上に努めました。
来月の函館支部の定例講習会は、令和6年12月15日(日)におこないます。

よい雰囲気の中での講義、講習のようす
実技指導のようす

令和6年10月の支部定例講習会がおこなわれました。

神無月(陰暦)10月 木の葉が、あざやかに色づく紅葉がはじまり、その美しさが秋の深まりを感じさせる、秋の実りの収穫の頃。8日(寒露かんろ:晩秋から初冬にかけてのつゆで、二十四節気のひとつ)の頃からは、冷たいつゆが草に差し、さわやかな秋晴れの空が澄んで見える日が多くなっていきます。 
「秋は、秋収しゅうしゅうという季節的影響を受けて、該当する脉位が旺気しやすい」 「肺は、秋によく働きますので、原気げんきを吸収し、冬にそなえるときだ」 という教えがあります。人間は、自然の気を受けて生活していますが 「季節の働きにあわせ、自然に調和して生活を守ることが、長寿の秘訣だ」と教えられています。

令和6年10月20日(日)に、函館支部の定例講習会がおこなわれました。この日は、肌寒さを感じる日でしたが、お互いに元気に挨拶をかわし、講習会がはじまりました。午前中の講義は、阿部 孝先生の『実技解説・四診法』でした。基本にもとづく事や、臨床につながる実践的な内容を、詳しくお話しされました。質疑、応答も多くあり、勉強の秋にふさわしい講義となりました。午後からは『基本刺鍼』と『小里方式』の実技指導をおこない、技術の修錬をおこなうことができました。このたびも、とても充実した講習会になりました。
来月の函館支部の定例講習会は、令和6年11月17日(日)におこないます。

くわしい講義、講習のようす
実技指導の刺鍼中のようす